マジックの成功ライン
不思議な手品を見せたとき、お客さんが笑顔で「ありがとう」と拍手をくれました。
手品は成功したかのように見えますが、果たしてどうなのでしょうか?
よくよく話を聞いてみると、タネの存在に気付かれて、あまり不思議ではなく、手品をしてくれた事に関しての拍手だったようです。
確かに、不思議な手品を見たら、驚いて拍手どころではありません。
拍手をしてくれたからといって、手品がうまくいったとは限らないのです。
ではここで、更なる不思議なマジックを演じました。
今度は、タネの存在も技法も気付かなかったようです。
お客さんは不思議すぎて、唖然としています。
手品は成功したかのように見えますが、果たしてどうなのでしょうか?
そこには拍手も何もありません。これでも手品は成功したと言えるのでしょうか?
マジックの成功ラインは、人それぞれ違います。
演者もそれぞれ、求めているマジックが違います。
演者の求めているマジックを演じて、求めている反応があったとき、“マジックは成功した!”と思うのではないでしょうか。
ただこれは、あくまで演者側の話。
お客さん自身も、求めているマジックがあります。
不思議な手品…、面白い手品…。
お客さんの求めている手品に応えながら、演者の求めている形に持っていく。
その二つが一致した時、大きな成功を生むでしょう。
あくまで、理想の話ですが、理想は高く持っていたいものですね。
TRICK STUDIO